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Lord of Magic Championships 2004


ラウンド 3: 浅原晃 vs 中村修平

Written by Keita Mori

ともに The Finals の栄冠を掴み取ったこともあるという、構築にも(もちろんリミテッドにも)定評ある二人がマッチアップ。そう、どこぞのグランプリの決勝ラウンドあたりで実現してもおかしくない好カードが、ここ LoM2004 の予選ラウンドで実現した。当然のごとく二人ともニ連勝で三回戦を迎えている。

森慶太「お二人ともさっき談笑してましたし、お互いデッキの内容は熟知している?」

中村修平「そうっすね(笑)」

「しかし、浅原さんは MSN にちょっと前まで『LoM 多分無理』みたいなこと書いてましたけど、ご都合がついたようでなによりです」

浅原晃「いやいや、実は朝の 4 時までぎゃざの原稿を書いてたんですよね。……そこから 30 分くらいでデッキを作りましたよ。……一人まわしさえしてないデッキで出てるなんて、なかなか人様には言えないですよ(笑)」

「ご自身が誌面で Top 10 に選んだカードに対して責任をとるようなデッキですかね(笑)?」

浅原「まあ、実に適当です(笑)」

中村「Top 10 というと日記のほうでやってる罰ゲームつきの企画のほうが(笑)」

「……たしかに、あの反省文を思うと、さすがにときめきますよねえ」

中村「ごっついすよね(笑)」

浅原「あっちに関しては、みんなの Top 10 が選ばれた後に後追いで混ぜてもらったので、ちょっとネタっぽく走ってみてお茶を濁してます。……でも、あれは実に感動的な作文でしたよね。アレをやらされるかと思うと、もう(笑)」

和やかな空気の中で両雄は軽く握手をかわし、中村修平が先手での開戦となった。

Game 1

中村修平

森田雅彦や津村健志と並び、「親和キャラ」で認知されている中村修平。期待通りにセット《教議会の座席/Seat of the Synod》からの《電結の働き手/Arcbound Worker》召喚というスタートだ。対する「ビッグレッド」の浅原晃はセット《山/Mountain》から《金属モックス/Chrome Mox》《爆片破/Shrapnel Blast》を刻印してさっそく《マグマの噴流/Magma Jet》。即座に 1/1 クリーチャーが墓地に送られるという応酬であった。

続くターン、中村はセットランドなしから《霊気の薬瓶/AEther Vial》プレイ。浅原はそれをみて《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel》プレイのみでターンを返す。

続く中村の 3 ターン目のアクションは、やはり土地をおけずに《彩色の宝球/Chromatic Sphere》プレイという暗雲たれこめるものに。ここで浅原はセットランドから《金属モックス》《静電気の稲妻/Electrostatic Bolt》刻印で《弧炎撒き/Arc-Slogger》召喚。中村は顔をしかめながらエンドステップに《霊気の薬瓶》《電結の働き手》をプレイグラウンドに。

旗色の悪い中村は《霊気の薬瓶》を X=2 にして、セット《大焼炉/Great Furnace》から《物読み/Thoughtcast》。しかしながら、浅原はここで御大《炉のドラゴン/Furnace Dragon》を降臨。まさに場を圧倒する。ちなみに、ここで中村は「くっそー」ともらしながら《エイトグ/Atog》プレイできたのみ。

浅原は悠々と 4/5 モンスターの能力を起動し、中村はコストとなったカードの中に《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》《血に染まりし城砦、真火/Shinka, the Bloodsoaked Keep》といった神河のカードがはいっているのを確認してから投了となった。

浅原晃、力強く勝利。

Game 2

浅原晃

ここでも先手となった中村が《教議会の座席》から《電結の働き手》プレイと、先ほどとまったく同じ立ち上がり。対する浅原は《金属モックス》《弧炎撒き》を刻印、セット《ダークスティールの城塞》からサイドインした《かまどの神/Hearth Kami》。そう、《溶鉱炉の脈動/Pulse of the Forge》と入れ替えたサイドカードだ。

中村は《伝承の樹/Tree of Tales》から、《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》プレイ、親和で 0 マナとなった《金属ガエル/Frogmite》を軽快に展開。浅原はセット《ダークスティールの城塞》の 2 枚目から《かまどの神》 2 号機。1 マナたてて 「どうぞ」。

中村は《空僻地/Glimmervoid》を置いてから《物読み》キャスト。2 枚の《彩色の宝球》を場に加えた上で《マイアの処罰者/Myr Enforcer》を展開し、2/2 《カエル》、1/1 《働き手》、1/1 《荒廃者》でアタック宣言だ。浅原は「全部スルー」。中村はここで「4 点だけ、おわり」。

浅原、マナを置けずにノーアクションでドロー・ゴー。因果応報、今度は律儀にこちらにマナトラブルだ。そこを中村は《物読み》 2 連打から、《金属ガエル》《電結の働き手》のそれぞれ 2 匹目プレイ。勢いを殺さない。その上でのセット《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》からアタック宣言だ。《マイアの処罰者》を加えた 4 体を前に、浅原は淡々と《電結の働き手》のみを《かまどの神》 1 体でブロック。

このブロック宣言を受け、中村はこのターン召喚したばかりの《働き手》を《電結の荒廃者》の能力起動コストにあて、戦闘中の《マイアの処罰者》《電結の荒廃者》をそれぞれ +1/+1 しようとした。浅原 晃はそこでスタックでの《かまどの神》能力起動で対象を《電結の荒廃者》に。

結局、ここで中村は本体にスルーされた《マイアの処罰者》を一気に 15/15 というサイズまで太らせ……浅原に一矢報いた。

ゲームカウントは 1-1 のタイに。

Game 3

先手浅原がセット《山》、後手中村は《ちらつき蛾の生息地》から《彩色の宝球》のみという静かな静かな立ち上がり。浅原の 2 ターン目は《ちらつき蛾の生息地》からの《かまどの神》だ。ここで中村はセット《伝承の樹》から《彩色の宝球》起動、キャントリップを経ての赤マナで《エイトグ》召喚。

先手 3 ターン目の浅原は《ちらつき蛾の生息地》の 2 枚目をプレイし、2/1 《神》でアタック宣言。戦闘後に能力起動で《伝承の樹》を破壊しようとする。中村はこのアーティファクトランドを当然のごとく《エイトグ》の給餌にあてたいわけだが、そこにスタックでの《静電気の稲妻》がつきささる。ぐさり。

圧倒的な序盤の展開力、というなによりの醍醐味を味わえなかった中村。それでも、負けじと《エイトグ》 2 号機を召喚でターンを返す。浅原の土地が一瞬とまったこともあり、続くターンにも《電結の働き手》《霊気の薬瓶》をプレイすることでテンポをとり戻すかに見えた。

AEther Vial

さて、出掛けに慌しくパーツをかき集めて構築してきたというデッキを相棒に戦うこととなった浅原晃。ここで彼は 5 ターン目にようやく 4 枚目のランドを引き当て、その 3 枚目となる《ちらつき蛾の生息地》をプレイグラウンドに設置した。浅原はここで 2 枚ずつの《煮えたぎる歌/Seething Song》《爆片破》《炉のドラゴン》という 3 トイツ状態の手札を眺めながら……やや長考。結局ノーアクションでターンエンドを宣言した。

他方の中村は《エイトグ》のみでアタックして、《霊気の薬瓶》を X=1 にしてターンエンド。対する浅原のドローは《弧炎撒き》。ここで《煮えたぎる歌》のうち 1 枚を詠唱し、赤マナをうかせて猛獣召喚。さっそくの能力起動で《エイトグ》を狙撃した。もちろん中村はレスポンス。サクリファイス《電結の働き手》《エイトグ》を護りたいわけで、この +1/+1 カウンターを移動(接合)する対象を用意すべく、《ちらつき蛾の生息地》を起動した。

とにもかくにも《弧炎撒き》。難問に直面した中村は伸び悩むマナベースから……泣く泣く《大焼炉》を犠牲に《爆片破》をプレイ。そう、《弧炎撒き》はどうにかしないとノーフュチャー。そんなわけで、X=2 の《霊気の薬瓶》《エイトグ》、+1/+1 カウンターの載った《ちらつき蛾の生息地》という 3 つだけ……そんなパーマネント事情となってしまった中村修平だ。

《弧炎撒き》こそ除去されてしまったものの、血反吐をはきながらやり繰りしている状態の中村であるだけに、ここで一気にたたみかけたいのが浅原。ここで彼は待望の赤マナ、《血に染まりし城砦、真火》をドローする。しかしながら静かに《ちらつき蛾の生息地》 1 体を起動してのアタック宣言だけでターンエンドを宣言。対する中村は《薬瓶》を X=3 にし、セット《空僻地》から《エイトグ》でアタック宣言。浅原はこれをスルーした。

続くターンに浅原はドロー《金属モックス》。これを即座にプレイしたのだが、中村は「手~札~なんまいっすか~?」とおどけた声をだしながら、刻印しようとする浅原を制し、レスポンス。

《霊気の薬瓶》から《モリオックの装具工/Moriok Rigger》が場にもたらされる。そう、インスタントタイミングでキーカードをプレイできるという《霊気の薬瓶》ならでは、おなじみのトリックだ。中村は浅原の《モックス》刻印をスタック待機状態とさせたまま《酸化/Oxidize》をこの《モックス》へと撃ち込んだ。

さて、今度はそれに浅原がレスポンスする番だ。《酸化》解決前に《血に染まりし城砦、真火》《ちらつき蛾の生息地》のマナから《爆片破》をプレイ。もちろんコストは《酸化》の対象とされた《金属モックス》(刻印前)。とりあえずは詠唱する意思表示を見せつつも、浅原はここで 5 点をぶつける対象をどれにするか、じっくりと考えこんだ。

浅原「……とりあえず 3/3 になってていいですよ」

中村「はいはい。待ってます」

数分後、結局これが《モリオックの装具工》を撃ち抜くことになり、浅原は一連のスタックを解決するとターンを終えた。浅原が戴冠する一年前の The Finals で頂点を掴み取っている中村修平は、《大焼炉》プレイから手出しで 2 匹目の《モリオックの装具工》召喚。意地を見せる。

Arc-Slogger

しかしながら、ここぞ、と浅原は温存していた《煮えたぎる歌》をプレイし、引き当てた 2 枚目の《弧炎撒き》をグラウンドに解き放った。そして、まずは《モリオックの装具工》に 2 点を。当然、スタックで中村は《エイトグ》《大焼炉》を食べさせて《モリオックの装具工》強化を画策。しかし、浅原はこれにスタックで火球をもう一撃。これによって浅原のライブラリは残り 14 枚となってしまったが、2 体目の《モリオックの装具工》が葬り去られ、2 体目の《弧炎撒き》は生き残ったのだった。

鎮座する《弧炎撒き》を前に何もできなくなってしまった中村。そんなライバルを尻目に、浅原は 4 枚目の《ちらつき蛾の生息地》を置いてから 1/1 に起動した《ちらつき蛾の生息地》《弧炎撒き》でアタック宣言。+1/+1 カウンターの載った《ちらつき蛾の生息地》を擁する中村だが、ここはハンドから《酸化》を素直に《ちらつき蛾の生息地》に撃ちこんだ。浅原は戦闘後にターンエンド。

なんとか反撃の糸口を見出したい中村は、ここで《物読み》プレイ。それによって《霊気の薬瓶》からのトリックに期待したい《ヴィリジアンのシャーマン/Viridian Shaman》を引き込んだのだった。マッチ終了後に、中村は「おっしゃー! とりあえず、アタックきてくれー、と思いましたよ(笑)」とこの瞬間の心情を述懐している。

……たしかに、ここで、並みの対戦相手なら中村の間合いに引き込まれて、流れに身を任せてコンバットへと突入してしまうのかもしれない。しかし、相手は的確なプレイで定評ある浅原晃だ。

冷静に《弧炎撒き》が本体を 2 点狙撃し、《ちらつき蛾の生息地》をコストに《爆片破》を詠唱、本体にさらなる 5 点。最後は《マグマの噴流》が終止符を打った。

浅原「……チキンにいかせてもらいました」

そんなわけで、中村修平の《ヴィリジアンのシャーマン》は、出番の来ないまま、こめられただけの弾丸のまま終わってしまったのだ。

Match Results: Finals 2003 Champion wins 2-1 against Finals 2002 Champion

Tags: Report

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